鳩こんろの「女の子が落ちた先は」

女の子が落ちた先は(鳩こんろ)は女の子が落ちてくることによって巻き起こされる一連の事件を描いた漫画です。
舞台は都内のある下町。
華やかな都会にあって昭和な雰囲気を残した小さなアパートが舞台です。

主人公である相川は何の変哲もない普通の若者。
給料が上がらないので毎日必死に働いています。
ちょっと金欠気味だけど、どこにでもいそうな若者である相川のもとに異変が起こったのは突然でした。
ある日、突然女の子が落ちてきたのです。

女の子が落ちてきた先は、相川の部屋。
どこかの天空の城のように不思議な感じは一切なく(笑)、物理的に天井を突き破って落ちてくるのです。
ある意味衝撃的すぎる登場です。

ネタバレしてしまいますが、相川の住むアパートはかなり古く、ボロボロです。
メンテナンスもそれほど徹底していない為か、床が腐食していたりします。
こういうものは壊れる直前までは普通に使えていたりするので外見からだけでは判らないのです。
そして、相川の上の階に住んでいる女の子、丹生さんがその腐食した部分を通ったそのとき、床が限界値を超えて壊れてしまったのです。

床に突然穴が開いたら誰でも落ちてしまいますよね。
丹生さんは何とか床にしがみついたので、真っ逆さまに落ちるのだけは避けられたのですが。
それでも下の階に住んでいる相川からしてみれば、突然女の子が落ちてきたことに変わりはありません。

丹生さんは何とか床にしがみついていますが、這い上がるだけの腕力はない模様。
下の階に誰かいると気付いたので「押し上げてください!」とお願いしてきます。

相川としても、いきなり女の子に落ちてこられても迷惑なだけなので、押し上げてあげようとするのですが、これがうまくいかない。
丹生さんはバランスをとるために体を揺らすので、うまく押し上げられないのです。
こうしてバタバタしているうちに完全に落ちてしまう丹生さん。
「女の子が落ちた先は(2話)」のタイトル通りのことが起きてしまいます。

実はこの時点で相川と丹生さんはほぼ初対面。
この女の子が落ちてきた事件が起こる直前に丹生さんの部屋の前で少し話したくらいです。
それまでは相川も丹生さんもお互い誰が住んでいるの把握していなかったのです。

特に丹生さんについては相川だけではなく、読んでいる人にとっても意外です。
相川の住んでいるアパートはザ・昭和な建物。
しかもかなりボロくて、お世辞にも若い女の子が好んで住むような場所ではないのです。
このことは相川自身の「こんなとこに住んでいるやつなんでロクなやつじゃない」という言葉からも判ります。

ところが相川の上の階の住人である丹生さんは若くて美人、しかも性格も良いのです。
普通に働いていたらこんなボロアパートに住まなくても生活できますし、丹生さんならどこでも働けそうです。
にもかかわらず、丹生さんがボロいアパートに住んでいるのは理由があります。

実は丹生さんは女優志望なのです。
ところが経験不足で舞台に立てないので日々練習をしているのですが、練習をすると仕事もできない。
なので安いアパートに住んで家賃を節約しているのです。
女の子が落ちたときも、部屋で練習中だったのです。
ところが、アパートがボロすぎて部屋が壊れてしまい、女の子が落ちた先は相川の部屋だったという事件に繋がります。

この女の子が落ちてきた事件でよかったことと言えば、昼間だったことです。
夜だったらボロアパートということもあって完全にホラーですからね・・・